川崎フォトエッセイ  その1442 表にある闇       HOME

 街の中から闇が消えつつある。それは照明だけの問題ではない。

 闇とはよく分からない世界で、非合理的な世界に片足を突っ込んでいる。

 それだけに新しく街を作るとき、闇的なものは省略される。

 だが、地鎮祭とかが行われているのを見ると、確実に闇の世界は必要なのだ。

 地鎮祭をしても、地面がローラーでならされるというような見た目の変化はない。在らぬものへアクセスをかけているのだ。

 市街地でも、そこが村落があった場所なら、地蔵さんや祠などが、ぽつんと残っている場合がある。その時代は闇と一緒に暮らしていたのだ。

 闇を遠ざけるのではなく、いつも意識しようと思えば出来る場所に配置されていた。

 闇の世界には人智を越えた世界があり、それが何らかの制御装置となっていたのだが、今は、人が人でそれを作らないといけないようだ。

 

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