川崎フォトエッセイ  その135  横断歩道    ←前 次→  HOME


 渡れるようで、渡れないのが横断歩道だ。一応渡れるようになっているはずなのだが、現実は違う。この違いに不信感を抱き出すと、腹が立つので、追求しないようにしている。その種のネタは日常のなかでは結構多いので、頭の切り替えが必要だ。

 横断歩道でいくら待っていても、車は止まってくれない。左から来た善意(?)ある車は止まっても、右から来た車が止まってくれないと、善意ある車の行為も無駄になる。

 比較的止まって貰えるのは、渋滞しているときだ。車にすれば、どうせノロノロ運転なので、止まりやすいのだろう。

 止まってくれない場合、強引に渡るしかない。そこそこの隙間を見つけて飛び出すのだが、これは命がけである。さらにもっと強引なときは「ブレーキをかけてくれる」ことを期待して、一歩前へ出る。さすがに人身事故になるのは怖いのか、車は止まってくれる。しかし、これはあまりやりたくない。そんなことでトラブルのは、面倒なだけなので、大人しく、車が途切れるまで待つのがいい。それを考えると、あの横断歩道の白線は何だったのかと、不条理感を貯めもむことになるのだが……。