川崎フォトエッセイ  その1179  屋根       HOME

 日本家屋の特徴は、屋根の形にあるようだ。船を逆さにしたような形で「家」のイメージともなっている。その屋根は、城の屋根も同じである。

 屋根が平らではないため、雨水が落ちてくる。建物の側面に垂れないように軒がある。

 軒や庇が入り込んでいるのだが、長年、それに見慣れた日本人にとっては、何でもない形だろう。

 それは、生まれたときから、知らない間に漢字を見続けながら育ったことにも似ている。

 漢字は非常に分かりにくい構造をしており、図として見た場合でも、記憶しきれないほど、複雑だ。

 だが、書けなくても、読めなくても、漢字は認識出来る。つまり、何処かで見た覚えのある図として、認識出来るのだ。

 民族や文化の違いは、単なる慣れだろう。生まれたあとから、いつの間に刷り込まれ、意識しないまま、普通に受け取ってしまうところの感覚だと言える。