川崎フォトエッセイ  その1260 懐かしい未来      HOME

 世の中には残ってしまうものがある。

 時代の最先端があるように、時代の末端がある。

 それらはスライド式に、徐々に新しい側へ移り変わっていくのだが、その差が大きいと断層がありすぎるように感じられる。

 古いものを残し、新しいものを作ることは不可能に近い。

 古い場ほど、新しいもので一気に覆われることがある。古いものほどフォーマットされやすいからだ。

 身近にあるものも次々と新しいものに置き換えられる。古いものが機能しなければ、新しく作り替える必要があるからだ。

 古いものがまだ機能している状態で作り替えられる場合、元の古さを活かしたくても、逆に高いものにつきかねない。

 当時は安っぽかったものでも、今では手に入りにくい材料や素材があるからだ。

 今ある新しいものも、いずれは同じ運命にあい、懐かしい風景となるのだろうか。